経営再建中のシャープが1218億円の資本金を
1億円に減らす方針を決めたことが9日分かった。
6月下旬開催の株主総会で承認を受け、実施する。
2015年3月期に2300億円前後の最終(当期)赤字となる見通しで、
大きく膨らむ累積損失を一掃し、財務体質の改善を図る。
また、資本金を1億円とすることで、「中小企業」とみなされ、
税制上の優遇措置が受けられるようになる。
経営破綻していない大企業が99%以上の減資を行うのは極めて異例。
(毎日新聞 5月9日)


1,200億円以上ある資本金を1億円に減資するようです。
通常、法的整理にも近い99%以上の減資を上場維持を行いながら
できることはありえないと思います。
どうやら、上場基準にも大企業特例が存在しているようですね。驚きです。

新聞記事には、以下のようにコメントがありますが、

「資本金を減らし累積損失を一掃しておけば、業績回復に伴い、
今後配当に回す利益を増やすことができる。
公募増資や資本提携なども進めやすくなる。
株主にとっては、資本金を減らすだけでは、1株当たり価値は減らない。」


株主の利益は1株当たりの価値のみかと言うことです。
確かに、減資=1株当たり価値の減少に直結はしません。

しかし長期のホルダーにとって、この後シャープが
資金調達を直接調達(増資等)で行う時に、容易く株式が
何倍にも希薄化するリスクを抱えることになり、
またこのことを嫌った投資家が売却に走ることで株価が下落し、
含み損を抱える可能性もあります。

このことから考えると、この先99%以上の大幅減資を計画しているシャープの株式は、
証券市場に流通してよい株式なのかということになります。

オリンパスの巨額粉飾が発覚した時もそうでしたが、大企業偏重の運用は
市場に不信感を与えるのでやめた方が良いと思います。


資金調達コンサルティング|ファイナンスアイ
貴社の資金調達を成功報酬で対応します。
関西を中心に日本全国対応しています。
http://www.financeeye.net/
TEL:06-7878-6657(土日祝も対応)