企業が不正を行うケースには、いくつかのパターンがある。
たとえば大王製紙のように、オーナー経営者が会社を私物化し暴走するパターン。
しかし今回の東芝の事件のように、社長をはじめ優秀な幹部社員たちが
「まじめに」「仲間のためを思い」コツコツと不正を積み重ねるというのは、日本独特の病理である。
なぜこうしたことが起こるのかを、考えてみよう。

事業がきちんと収益を生み出し、利益をあげているならば、不正会計の誘惑は生まれない。
だが、事業が稼ぐ力を失ってダメになってしまうこともある。
そのときに、当該事業があたかも順調であるかのように見せかけたい衝動に駆られ、
不正会計や粉飾が「結果的に」起きるわけである。
おそらく経営者も「構造的にこの事業は負け戦になっている」ということはわかっているはずだ。
要は「どこで撤退を決断するか」だけなのである。
しかし、日本企業の経営者はこれができないのだ。

日本的企業は極めて同質的な共同体であり、その内部においては
「現状の共同体内の調和をできるだけ乱してはいけない」という暗黙の同調圧力が働く。
そして、ここが日本的企業の「たちの悪い」ところなのだが、
こうした共同体内の調和を守ろうという行為は、悪意ではなく善意で行われていることである。
誰かが私利私欲のために悪意をもってそうしているなら、それを暴けば解決する。
しかし、彼らは極めて善意で、まじめに、共同体内の調和を守ろうとしているだけなのだ。
そうして被害を拡大させ、決定的なダメージを受けるのだ。
(東洋経済オンライン 1月28日)


経営者が不正会計にハマると、「事業の立て直しが何故上手く行かないのか」についての
真剣な検証と施策実施が疎かになります。
その結果、痛みも意味も無い精神論が幅を利かせることになるのです。


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