昔より、ハローワークで紹介される企業にブラック企業が多いことが問題視をされていました。
これはハローワーク側に、「全ての求人申し込みを受理しなければならない」
という規程があり、異常に高い退職率や事後のクレームがあっても、
その企業の求人情報を拒否することができないこととなっていました。

ここにメスを入れ、厚生労働省は、残業代不払いなどの違法行為を繰り返す企業の
新卒求人を、ハローワークで受理しない制度を創設する方針を
若者向け雇用対策法案の柱とするという報道がありました。

もちろん、私もブラック企業は無くなればよいと思っています。

しかし、私が思うブラック企業は、従業員が金銭、スキルのいずれも受け取ることのできない、
その会社が設立した瞬間から、雇用した従業員から時間を搾取することで
成立するモデルをもつ会社で、単に労働関連の違法行為を行う会社ではありません。

もちろん、違法行為ははよくないと思いますが、経営的にやむを得ない場合や
金銭以外の大切なものを得られるチャンスもあると考えているからです。

私が最初に就職した先は、今の基準で判断すると、完全にブラック企業です。
財閥系の金融会社でしたが、経営的に安定しているにも関わらず
私の給与を時給換算すると、最初の3年間は300円前後でした。
サービス残業という残業代不払いですね。

また売上目標に達成していないと、会議において人間として扱われませんでした。
パワハラですね。

上司の指示で仕事がクリスマスイブの深夜まで続き、電車が無くなりました。
タクシーを求め、東京の寒い夜を3時間以上もさ迷い、ようやくタクシーを捕まえ帰りました。
(クリスマスイブでタクシーはほとんど出払っていました)
翌日、経費申請を相談したところ、「クライアントに請求しろ」と言われました。
こんなことは日常茶飯事でした。

しかし、倍の下積みを行った結果、得ることのできた様々なノウハウや経験は、
今の自分を支えてくれています。
私はあの時の経験は金銭以上の価値があったと言い切ることができます。

今回の制度は、よほど慎重に規制をかけないと、経営的に厳しく
止むなく法令に抵触している中小企業の人材採用施策を直撃し、
場合によっては人材不足による倒産が発生する可能性も大いにあります。
そうなれば、中小企業の地盤が沈下し、結局、就職先が減るという悪循環をも産み兼ねません。

本当に排除すべきは、従業員に何も残さないように計算されている、
悪意あるビジネスモデルだと思います。



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